大学生の日常。

自分のやりたいことって。

久しぶりに漫画の紹介をしようと思います。

 

去年あたりにボンクラボンボンハウスという短いマンガを読みました。主人公の女の子が大学にいる意味を見つけられず、親に言わずに中退して、さらに親から大学の資金を渡してもらい、周りの人たちと関わりあいながら自分の目標を見つけていくという、なんとも恵まれた女の子の話です。

 

いい身分の女の子だな、と私も考えていましたが、今の日本で自分が大学に行っている意味を真剣に考える人がどれほどいるのでしょうか。将来を考えたふりをしている人たちは「学位を貰ってちょっとでもいい評価を貰うため」なんて言いますが、それは目先にある事実をただ語っただけで、実際に考えてはいないんです。

 

一巻だったかな。主人公は大学を辞めた理由を語ります。

「単位のために興味のない講義を受けて 興味のないこと一生懸命レポートにしてる みんな思ってるよ 意味がないって でも卒業のために就職のために黙ってあそこの中にいる」

自立する手立てすらないのに勢いでやめてしまうのは無謀なことだと思います。ただ、『ここまではこうやってお金をためて、そのあとはやりたいことをこのようにやっていく』というビジョンを少しでも建てられているのなら、それはやるべき価値のあることだと思うし、なによりそうやって自分の理想と現実に向き合って葛藤する、という行動はやはり青年期には不可欠で、とても大事なことだと思います。

 

「スマートに、かっこよく、美しく、自分らしく」このような表現ができている作品、人物、表現などを見てあこがれるのは当然だと思います。なぜならすごくキラキラして見えるから。でも、そのような存在の裏には各々が苦しみ、考え抜いた苦悩や葛藤、鍛錬があります。そのようなものをすっ飛ばして「自己実現」などと息巻いている人たちは、結局世間の想像する範疇の世界でしか生きられないのではないでしょうか(もっとも、それを幸せと思う人もいるので何とも言えないですが)。

私は幸いにも、大学で学びたいことが学べている身です。去年は周りと合わせていたので、授業で学んだことをどのように生かすことができるかなんて考えたこともありませんでしたが、幸か不幸かコロナ禍でそれを考える時間ができました。いつか、私も自分と同じように時代の波をふらふらと泳いでいる人たちに向けて、しっかり考えて悩むことができる機会を与えることができたらと思います。

 

いづれにせよ、自分の道を探したり考えたりすることについてとっかかるにはとてもいいマンガだと思います。高校2年~学部4回生に特におすすめです。

 

ボンクラボンボンハウス(1) (FEEL COMICS)
 

 一話は無料で見れることが多いので、主人公にすごくイラついた人、少し共感してしまう人はぜひ続きも読んで見て下さい。ではでは。