大学生の日常。

空の境界 上

高校生の頃にFate Grand Orderというアプリがリリースされて、その当時に空の境界イベントというものが行われていました。

そこで両儀式浅上藤乃のデザインにほれ込んでしまったのが、空の境界上中下巻を衝動買いしてしまった理由です。

…しかし、当時の私にこの本独特のクセのある文章と向き合える忍耐力はなく、なんとなく流し読みしてあまり話を理解しないままどこかで読むのをやめてしまっていました。

そして今、この大作ともう一度向き合ってみようというわけです。

 

以下感想です。重大なネタバレはないと思います!

 

やはり殺人考察は時系列が複雑で、本筋と深く関わっているということもあるのか話が淡々と進みます。黒桐君の式への思い入れは完全に異常で、もう少し向き合うべき部分のはずですが、その部分を知ってしても彼を穏やかな青年だと感じてしまう。事実、私も彼に対してとても好印象なのです。

本巻を通じて一番好きなところは、チャンネルについて議論するシーンです。「常識」チャンネルしかもっていない人と「異常」チャンネルしかもっていない人では感性がかみ合うことはなく、ただ憎しみあうだけなのでしょう。しかし、両方持っている人の苦悩は片側しかもっていない人の比ではなく、自分のアイデンティティが確立できないまま他人に理解されず苦しみ続けるのです。

ただ、作中で黒桐が藤野に手を差し伸べた時や、式が病気を切り殺した時のように、心を温めてくれる存在や根本から自分を変えてくれる存在がいるならば、絶望の中でも生きていけるのでないかと思います。

エミヤもそうでしたが、不変の苦しみの中で自分の道を見つけていくというのは、月型作品のテーマに組み込まれている気がしないでもないですね。

…ほかの方のブログを見ていると、コアなファンの方はとても厳しいようなので、にわかがこれ以上知った口を利くのはやめておこうと思います(言い逃げ)

 

感想を書くかはわかりませんが、時間がある時にまた中下巻も読んでいこうと思います。

それではまた。