解答例を回答する。
国語の問題を教えていた。
演習を終え、生徒が回答を見る。
自由度の高い問題だった。解答例に書かれていたことは小難しい書き方で、書き方には幅があると感じた。「あくまで解答例だから、自分の言葉で書いてみるといいよ」とアドバイスすると、生徒は少し考えたあと、自身の回答を消し、赤ボールペンで解答例を映した。
ああ、自分も当時これをやってたっけか、と思い出した。自分で考えるのは少し難しく感じて、少し権威があって信頼できる解答例に頼る。
何よりも、それをすれば安心できた。
知らず知らずのうちに解答を求めている。回答がないなら、解答例を求めている。
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いつからか。いつからなのか。
無意識のうちにそれらを求め、それに浸かりすぎると、それをしない人に疑問を抱くようになる。
「なぜ、しないのか?」
あくまで解答例だから。 これがわかっていたら、自分で考えなくちゃいけなくなる。自分で考えられるようになる。息苦しさがましになる。
そう信じています。