大学生の日常。

解答例を回答する。

国語の問題を教えていた。

演習を終え、生徒が回答を見る。

自由度の高い問題だった。解答例に書かれていたことは小難しい書き方で、書き方には幅があると感じた。「あくまで解答例だから、自分の言葉で書いてみるといいよ」とアドバイスすると、生徒は少し考えたあと、自身の回答を消し、赤ボールペンで解答例を映した。

ああ、自分も当時これをやってたっけか、と思い出した。自分で考えるのは少し難しく感じて、少し権威があって信頼できる解答例に頼る。

何よりも、それをすれば安心できた。

 

知らず知らずのうちに解答を求めている。回答がないなら、解答例を求めている。

 

外でサッカーをする。交換日記。かけっこが速い。人気のゲーム。コンタクト。オシャレ。ケータイ。SNS。映え。ワックス。鼻が高い。高身長。足が細い。目が大きい。顔が小さい。顔が整っている。友達が多い。コミュ力が高い。誰とでも仲良く。可愛くなきゃいけない。自分らしく。同意。リクルートスーツ。大企業。結婚。出産。…

いつからか。いつからなのか。

無意識のうちにそれらを求め、それに浸かりすぎると、それをしない人に疑問を抱くようになる。

「なぜ、しないのか?」

 

 

あくまで解答例だから。 これがわかっていたら、自分で考えなくちゃいけなくなる。自分で考えられるようになる。息苦しさがましになる。

そう信じています。